必要なものとそうでないもの
ここ数年で幾度かの引っ越しをしたため、物は少ない方だと思う。
今暮らしている家の間取りは広いが部屋数が少なく、クローゼットもない。
空間をカーテンや布で仕切ったり、カーペットを敷いたりして区切っているので家具も少ない。
必要最低限のものを、とあれこれ処分した時期もあったが、生活が落ち着いてくると便利さや楽しさを満たしてくれるものを増やしたくなる。
だが物が増えれば欲も増える。一つ買えばもう一つ欲しくなる。色違いだったり、仕事用とかプライベート用とかお客さん用とか・・・きりがなくなる。
なので既にあるものをもう一つ増やしたいと思うときは、本当に必要か?ほかのもので代用できないか?とか考える。そしてたいていはさほど必要でないという結論に至るか、緊急性が低いため保留にし、「購入しない」となる。
しかし、先日amazonでカシオのアナログ腕時計を買った。値段の割にシンプルなデザインのせいか、そこそこ上質に見えるもの。昔持っていたポール・スミスの腕時計と質感が似ていて気に入ったので、勢いづいてそのカシオの色違いを購入してしまった。
荷物が届いて箱を開け、ショックを受けた。
ダサい・・・。
写真を見て同じデザインの色違いだと思い込んでたせいもあるが、ベルトのデザインと文字盤のデザインが先に購入したものと微妙に違うのだ。
これはまさにネットショッピングの落とし穴だろう。思い込みにとらわれて写真をよく見なかった自分のミスである。
自分が間違って買った2,000円もしない商品を返品するわけにもいかないのでそのままにしてあるが、頭を冷やして考えると、腕時計そんなに持っててどうするの?と思った。
そもそも、ここ数年はスマホの時計があれば充分という理由で腕時計をしていなかった。仕事中に外さねばならない機会が多く発生し、夏は腕に跡がついたり汗ばんだりするのが嫌だったからだ。職場には至る所に時計がついており、数分ずれていてもそれを知っていれば業務に支障をきたすほどではなかったし、スポーツジムでも腕時計は邪魔になった。ランニング中のラップタイムはスマホアプリがあればもっと楽に計測できる。
【脱、腕時計】を果たした私は身も心も?軽くなった。おしゃれな時計に大枚をはたくことも、欲しい時計のデザインで迷うこともなくなった。・・・はずだった。
だが、最近、ある職場で先輩に腕時計をするようにアドバイスをされたので、近所のホームセンターで1,000円くらいのデジタル腕時計を買った。昔流行っていたカシオのデジタル、初期デザインでインテリア雑貨店に行くと4,000円ちょっとはする。ストリート系のファッション誌にたまに掲載されるような代物だ。そしてそんな安物の時計でも時々褒めてくれる人がいて、調子に乗ってしまったのかもしれない。
時計はなくてもいいと思っていたのに、一つ買うともう一つ欲しくなり、さらにもう一つ・・・腕は二本あるが、普通、つける時計はひとつ。
「時計、そんなに要らないよね」と心の声。
だがここで重要なのは2,000円の買い物で自分の過ちに気付けたことだと思う。
もし20,000円の時計を買っていたら?どんなにその時計を気に入って買ったとしても、いずれはもう一つ欲しくなるだろう。
そして他人の時計や雑誌を見ては、「時計欲しい」という欲にかられるのだ。
腕時計のメーカーさんや販売に携わっている方には申し訳ないが、これで自分を戒めることができたと思う。今後腕時計を購入することがあれば、それはだれかへのプレゼントとしてだろう、その方が私もうれしい。
我に返った私は新しい課題について取り組むことにする。
【脱、スマホ依存】
だが、ゲームやマンガ、動画、Webの閲覧とそれらの定額料について今後どうすべきか?を精査していきたいと思う。
先に購入したネイビーの文字盤(右)、衝動買いしたシルバーの文字盤(左)