ジレンマを乗り越える
東京から田舎に移住して、色々な職場を経験した中で感じていた、ひとつのジレンマ…。
東京のデパートで働いていた経験を活かして、近所のスーパーのレジの仕事に就いたが、全てのお客様に、通り一遍なマニュアル化された用語・動作での接客を強要され、ひどい違和感を感じた。
具体的に言うと、このセリフを言う時はお客様の顔を見て、このセリフを言う時はお金を見る…というように。
ポイントカードをお持ちかどうかも、決まったタイミングで、決まった文言でやり取りをする。
お預り金額の確認のしかたや、お札の取り方、数え方から返し方まで、全てマニュアルで決まっており、その通りにやらなければならない。
ロボットみたいな接客。
これが、最初の感想。
今までやってきた接客とは真逆のもので、とても窮屈な感じがする。
そして、この記事を読んで、自分の考え方が悪いわけではないと納得した。
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田舎の人材教育とは、マニュアルを徹底することであり、都心の人材教育とはマインドの向上であると分析した。
思うに、田舎のレジチェッカーとは、チェッカー検定に通用する内容での接客を教育している。
その土地に合ったやり方なのだろうけど、臨機応変さが求められる戦場みたいに混雑する店で働いていた身としては、ガチガチに固まった接客トークなど窮屈極まりない。
結局、住む土地が変わっても、今までの経験の中で培われた仕事に対する価値観は変わらないという事なのだろうな。
そしてその環境で働くのなら、そこに適応しなければならないけれど、私にとってそれは退化することと等しい。
慣れればどうってことないのかもしれないけれど、今まで無意識でやっていたものを全部新しいものに置き換えるとなると…慣れるのが大変だ。ものすごいエネルギーとストレスがかかるし、自分が良いと思えないものにそんな労力使いたくない。
そんなわけで、セルフレジが普及し始める昨今、コンビニまでもレジをロボットが行うようになる近い未来、機械化されていく職種にしがみつくのはやめて、これから先必要になってくるであろう新しい仕事に挑戦してみようかと考えたのだった。